トイレ介護の失敗を減らす排泄予測機器DFree
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寝たきりになっても排せつケアに個別配慮を

特別養護老人ホームしおさい

社会福祉法人 仁摩福祉会

〒699-2301 島根県大田市仁摩町仁万843特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームしおさい:定員30名(従来型個室:10床、多床室:20床)/特別養護老人ホームしおさい新館:定員20名(ユニット型個室:20床)

2024年12月にDFreeを3台ご導入いただいた、特別養護老人ホームしおさいさま。DFreeでのデータ取得とケア改善・振り返りのサイクルを2ヶ月ごとに繰り返すサイクルで運用を開始されています。
施設課長の野際智紀さまにDFree導入の背景や今後の展望についてお話を伺いました。
(インタビュー実施日:2025年1月30日)

心身機能の回復・生活能力の再構築を目指して

DFreeをご活用いただいた背景を教えてください。

介護老人福祉施設の指定基準第7条には、「入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて定期的に検討しなければならない。」とあります。
この文言から、提供すべきケア効果は「心身機能の回復、生活能力の再構築」であり、究極目標を「在宅復帰」と考えています

一方で入所者は平均要介護度4.4と寝たきり状態の方が中心で、ほぼ100%施設看取り希望の状況です。
究極的な目標と現状には大きなギャップがあります。中でも排せつに関する支援は特に差が大きいです。10年以上前からおむつゼロにむけて取り組んできましたが、なかなかかけるエネルギーとケア効果が見合う状態にはできませんでした。その結果、寝たきりを前提に定時オムツ交換をケア方法として選択する考えに陥ってしまいやすい状況で、次第に入所者の尿意への関心も薄れてしまうという悪循環の状況でした

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特別養護老人ホームしおさい 施設課長 野際智紀さま

排せつケアの適正化に向けてトライアルを実施

DFreeをトライアルしたきっかけを教えてください。

当施設は夜間安眠支援のため睡眠センサーを導入しております。経営層より、「これまで以上の夜間の安眠支援につなげるため、排せつ関係の測定機器を併用することと良いのではないか?」というアイデアが示され、こちらから問い合わせをしました。

担当営業さんから説明を受け製品詳細について知りました。
これは入所者に排せつケアを合わせるためのアイテムだ」と感じました。

これまでにも排せつケアの最適化に向けた考え方や方法は提示されていますが、トイレ誘導時間記録や尿量チェックで取ることのできる情報は、職員の関与による影響が含まれてしまうため、入所者の真の排せつ間隔のデータとはいいがたいのではないかと思っていました。また入所者ではなく、尿取りパッドの最適化に目が向かいがちではないかと感じていました。

DFreeは尿のたまり具合を測定する機器のため、入所者のリアルな状況を見ることができ、これなら本当に必要な排せつケアを考えていくことができるデータを収集できるのではないかと思いました

DFreeを使う前に懸念点はありましたか?

入所者に装着可能か?、データ収集に必要な手間はどの程度か?、どのようなデータが収集できるのか?、データ分析は職員にできるのか?という点を確認するためにトライアルを申し込みました。
最も気にしていた点は職員だけでデータ分析できるか?という点でした。

トライアルではどのようなことを実施しましたか?

一部の入所者にモデルになってもらい、データ収集しました。トライアルではデータ収集が可能かどうかという点にのみ注目し、それ以外はあまり考慮しませんでした。

対応した職員からは、「利用者の状態がデータとして目で見えるので、新入職員の指導に使える可能性がある」との回答を得ました。

DFreeサポートスタッフの方は介護現場の支援に非常に熱量があり一貫してサポーティブな姿勢でした。
管理アプリがよく作り込んであり、直感的に操作、機器管理できる点に好感が持てます。
職員は「出たかも通知」等のお知らせ機能の活用方法を模索する流れが生まれており、想定以上の活用を考えてくれていることを嬉しく感じています

膀胱内の状態と排尿傾向の可視化に成功

使用前の懸念点は解消されましたか?

入所者の装着にはほとんど問題は生じませんでした。
職員は装着そのものにはほとんど負担を感じないようです。測定データを自分で確認し、入所者一人ひとり傾向が異なることを再確認できたようです。

全職員同時に進めることは拒否感もあり難しかったです。ぜひ使ってみたいという職員を先行実施者として任命することで職員全体が効果を感じたり、慣れたりする時間とすることで解決できそうだと感じました。

DFree導入をどのようにご検討いただいたのでしょうか?

出発点が経営層のアイデアであったこともあり、現場責任者を中心に検討、内部稟議を進めました。
誤検知の少なさなどの製品性能に加え、メーカーのサポート体制の厚さが決め手だったように思います。介護ロボットとして国の認定を受けていることも安心材料でした。

利用者さまのさらなる快適性向上へ

現在の取り組みについて教えてください。

現在2フロアで運用しています。1つめのフロアでは、夜間のオムツ交換が必要な入所者に対してデータ収集しています。そのデータを基にその人の排せつリズムや障害に合った夜間のオムツ交換となっているかどうかを点検し、まずは濡れている時間を1秒でも短くすることにチャレンジしています。
もう1つのフロアでは、特定の入所者に装着し、尿のたまり具合に基づいてトイレ誘導を試みています。


「重度の寝たきりの方にも個別対応が必要であり、それが実現可能であるということを示して職員の意識を変える」「DFreeを活用することで介護過程の実践を支援し、介護職員の技術の底上げをする」というビジョンを持つ野際さま。その達成に向け、弊社一同、今後も一緒に取り組ませていただければと思います。

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