トイレ介護の失敗を減らす排泄予測機器DFree
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排尿ケアチームの「常識」を変えたDFree導入秘話

聖隷横浜病院

社会福祉法人聖隷福祉事業団

〒240-8521 神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町215 / 病院

367床

2025年1月にDFreeをご導入いただいた聖隷横浜病院さま。排泄の自立支援を積極的に行うことで、患者さまのQOL向上と医療安全の確保に取り組んでいる泌尿器科医の波多野医師、排尿ケア認定看護師の井口看護師、そして今村看護師にお話を伺いました。(インタビュー実施日:2025年10月31日)


排尿ケアの現場で起こる「予測不能」な課題

DFree導入以前、排尿ケアの現場にはどのような課題がありましたか?

今村看護師
まず、尿意を訴えられない方の残尿測定が難しいという課題がありました。そういった方々に対し、何かアクションを起こしたいと思っていたのがきっかけです。

波多野医師
私自身、医師になって30年以上ですが、「人間の排尿のタイミング、特に認知症や麻痺がある方の排尿タイミングは予測できないものだ」という固定観念があったんです。そのため、看護師さんも「ある程度時間が来たらおむつを見る」といった対応になっていました。

特に深刻だったのが、夜間の排泄です。夜中のトイレ誘導は、患者さんにとっても、夜勤で人数が少ない看護師にとっても負担が大きい。しかも、排泄のために起き上がった際に転倒・転落し、骨折してしまう患者さんが多かったんです。DFreeには、この夜間の転倒・転落リスクを減らせるのではないか、という大きな期待がありました。

患者さんの尊厳という面でも課題がありました。尿意を訴えても誘導が間に合わず汚物で汚してしまうと、患者さんは看護師に世話をかけてしまったという思いから、排泄に関する尊厳が低下してしまうんです。DFreeの導入は、こうした課題を改善する一歩になると感じました。

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排泄ケアチームのみなさま

不可欠なデバイスへ - DFree活用事例と現場の声

DFreeを導入するにあたって、特に魅力を感じたのはどのような点でしょうか?

波多野医師
なんといっても、「その時点の膀胱の尿量がリアルタイムで把握できる」という点です。これまでの残尿測定器では、あくまで「その時」のデータしか取れませんが、DFreeは経時的に見ることができるのが一番いい機能だと感じています。

井口看護師
導入時は何ができるか未知数でしたが、先生と「とりあえずつけてみて、どう活用できるか見出していこう」と話しました。結果的に、排尿の訴えが難しい方だけでなく、頻尿の患者さんにも使えることがわかりました。例えば、何度もトイレに行きたがる方でも、DFreeで膀胱に尿が溜まっていないことがわかれば、看護師から「もう少し溜めてからにしましょう」という言葉がけができるようになったんです。

導入後、どのような変化や効果を実感されていますか?

波多野医師
導入によって、私の長年の固定観念であった「排尿は予測できないもの」が、「排尿は予測できるもの」へと変わりました。特に、バルーンカテーテル抜去後の患者さんの排尿自立支援において、非常に画期的なデバイスだと痛感しています。

  • 排尿状況の早期判断:  排尿後に残尿量がゼロにならない患者さん、つまり「見かけの尿は出ていても、出し切れていない」方を、その日のうちに把握できます。これにより、尿路感染症などを起こす前に早め早めに次の手を打てるようになりました。
  • 夜間頻尿の個別ケア:  DFreeのデータから、夜間の排尿パターンがわかり、頻回に排尿する患者さんにはその時間帯を狙って誘導したり、夜間頻尿の薬を検討したりと、個々の患者さんに合わせた支援ができるようになりました。
  • 転倒・転落リスクの軽減:  患者さんの体位を示すアイコンと尿量の数値を見ることで、「排尿で起き上がった」ことが容易にわかります。急いでトイレに行こうとして転倒する前に、リアルタイムで駆けつけることができるようになり、夜間の転倒・転落を予防することに繋がっています。

今村看護師
24時間モニタリングをしているので、今がおむつの替え時今が誘導のタイミングだということがわかります。

井口看護師
不必要なトイレ誘導が減ったことは、大きな業務改善です。特に麻痺で2人がかりで誘導しなければならない患者さんの「空振り」が減ったのは非常に助かりました。

また、認知症で頻繁にトイレを訴える患者さんにDFreeを使ったところ、看護師がタブレットを見せながら「まだこのくらいしか溜まっていないから、今はパズルに集中しても大丈夫ですよ」と声かけをすることで、トイレへの固執が減り、尿意を訴える回数が20回から半分に近いくらいに減りました。

波多野医師
DFreeは、バルーンカテーテルを抜去した後の排尿自立の評価において、一番信頼性の高いデバイスだと考えています。カテーテルを抜けることで、患者さんは転院先や施設を選べるようになり、QOLの向上に大きく役立ってくれています。

DFreeは今、私たちの排尿ケアチームにおいて、必要不可欠なデバイスの一つです。裏を返せば、DFreeがないと排尿ケアチームの活動は成り立ちません。

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泌尿器科の波多野医師

今後の展望・メッセージ

DFreeのさらなる活用に向けて、今後期待されることはありますか?

井口看護師
DFreeの台数が少なく、排尿ケアチームで管理しているため、一般のナースにとっては「身近なもの」になりきれていません。もっと台数があれば、どの病棟でも「この人に使ってみようか」と気軽に活用が進むはずです。

波多野医師
台数が増え、病棟にDFreeが余るような状況になれば、見守りセンサーとして活用できる可能性もあります。今は排尿の自立支援に特化して使っていますが、さらに活用の場が増えるでしょう。

最後に、DFreeを検討している施設へメッセージをお願いします。

波多野医師
ADLが低下している方や、脳神経外科・整形外科の患者さんが多く入院している病院で排尿自立を支援していくためには、DFreeは必要不可欠なデバイスです。排尿の不安を払拭することは、患者さんの生活の質を極めて向上させます。排尿ケアチームがある総合病院は、すべての病院で導入すべき機器だと思っています。

井口看護師
DFreeは、患者さんの尊厳を守ることにつながります。まだ伸びしろがある製品だと思っていますし、私たちの要望を叶えてくれる会社だと信じていますので、今後ともよろしくお願いいたします。


DFreeを排尿ケアの常識を変える革新的なデバイスとしてご評価いただいている聖隷横浜病院の皆さま。患者さまの尊厳ある排泄と職員さまの負担軽減に向けて、今後も一緒に取り組ませていただければと思います。

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