2024年10月にDFree1台を導入いただいた、さつき園さま。施設長の岡田さまにDFree導入の背景や今後の展望についてお話を伺いました。
(インタビュー実施日:2025年2月7日)
科学的介護を目指してDFreeを検討
どういった経緯でDFree を知りましたか?
テレビでこんなものがあるんだと知りました。膀胱内の尿の状態を把握できるようになれば、在宅生活をもう少し長く維持できるんじゃないかと思いました。
DFreeをご活用いただいた背景を教えてください。
科学的介護を提唱している竹内先生をきっかけに、8、9年前から根拠のあるケアを実践しようと、専門性を意識していました。その中で、行き当たりばったりのケアを見直す必要があると感じていました。何かデータとして裏付けがあるといいな、という思いがあり、その一環として膀胱の可視化ができるDFreeを導入しました。
具体的には、そわそわしてトイレに行きたがる訴えが多い時に、実際に尿が本当にたまっているのかが確認できるといいな、という思いがありました。感覚的な問題に過ぎませんし、もちろん利用者さんの訴えに対しては、私たちもトイレにご案内しなければならないのは当然のことです。ただ、膀胱内に尿がたまっているのか、それとも何か薬の副作用が影響しているのか、その辺りをしっかり見極めたかったんですよね。
やっぱり、職員の経験によって変わってくる部分があると思います。例えば、導尿をしてみたら尿がたくさん出てきたとか、腹圧をかけているけど尿が出てこなくて、尿がたまっているのかな?とか。排尿のパターンは、わかりづらくて難しいなと感じていました。
認知症でトイレの訴えが多い方に対して、膀胱の可視化ができると、尿がたまっていないけれどトイレに行きたいんだなとわかりますよね。そういったデータがたくさん見えてくると、例えば配薬の問題や、状態に合わせた対策ができるようになり、改善例も増えてくるだろうと期待しています。そういったイメージがあり、DFreeを知ってからは、ずっと使用してみたいと思っていました。
DFreeによって根拠がもてることを実感!
DFreeを使う前に懸念点はありましたか?
認知症の方がDFreeを投げてしまうのではないかとか、無くなってしまうのではないか、不快感はないのか、といった点が気になりました。
トライアル時の印象はいかがでしたか?
トライアルでは、DFreeがどんなものかを知りたいという期待感を持って使用しました。寝ている時の姿勢によって尿の出やすさが変わる方もいらっしゃると思います。そういった個々の状態も見えてくるのではないかという期待もありました。
リーダーの2人が説明会に参加し、各フロアで周知を進めていきました。最初は言われるがままに使い始める中で、数名の職員が興味や課題意識を持ちながら取り組んでくれていたというのが実際の状況だったと思います。そこには、サポートチームがあることへの安心感もありました。
トライアル結果はいかがでしたか?
トライアルで使用して得られた結果として、尿がたまっているタイミングがわかったことが大きかったです。私たちが思っていたタイミングで尿がたまっていることもあれば、自分たちでは気づかなかった別のタイミングで尿がたまっていることもあり、そのことに気づけたことがよかったと感じました。
データの分析機能も価値を感じているポイントの一つです。特に夜間帯では、おむつ交換で何度も起こすべきではないと思うので、不快感を考慮しつつ、尿量に応じたパッドの種類やおむつ交換回数を、データをもとに見直していけたらいいなと思いました。今後は、そういった根拠に基づいたケアが大切だと思います。
個々の状態把握から適切なアプローチへ
DFree導入時に議論されたことや、導入の背景を教えてください。
導入時に職員から挙がった懸念は、「いくらするんですか?」という声でした。そこで、価格について説明し、「しっかり使っていきましょう」という話をしました。
私がこういうケアをやりたいという理想を職員は理解しています。すべてを効率化するつもりはありません。理想は理論に基づいたケアです。よく言われるのは、PDCAサイクルをしっかり理解し、小さなサイクルで繰り返し実行していくことですね。そういう意味では、DFreeはデータが目に見えるので、職員も取り組みやすかったと思います。特にリーダーの2人は私の考えをよく理解しているので、前向きに取り組んでくれるだろうと思っていました。
また、職員がおむつの種類に興味を持っていたこともあります。以前は「回数を多くおむつ交換に入れると良い」という介護職員としての美徳のような考えがあったと思うのですが、今はそれとは異なりますよね。放置するのではなく、高吸収のパッドやその方に合った排泄用品を選定していくことが求められていると思います。その中で、排尿に関するデータを可視化できるという点が良いな、と感じています。
導入直後の現状と今後の展望を教えてください。
職員がアプローチの見極めができるようになるといいなと思います。例えば、トイレの訴えが多い方に対しては、まず尿が本当にたまっているのか、訴えが正当なものかを判断する必要があります。もし尿がたまっていないのに訴えがある場合、違うアプローチが求められますよね。その方に合わせた適切なアプローチを見極められるようになると良いですね。例えば、この時間はトイレにご案内したほうが良いのか、どのような腹圧のかけ方が効果的なのか、といったことを考えられることが大切だと思います。膀胱が見えなければ、すべては想像の世界になってしまいますので、第一段階として膀胱状態を把握することが重要だと思います。
この間のZoom相談会でも、「引き続きこの人にもうちょっと使ってみたい」という声が挙がっていたんです。まだ使い始めたばかりですが、僕が使いなさいっていう話ではなくて、使ってみたいという意欲が、現場の職員から出てくると一番いいのかなって思います。
特に、夜間帯や排尿パターンが掴みにくい方に対しての排尿状況の把握を進めていきたいと考えています。あとは新規入所の方にも使用していきたいです。
最終形としては、併設のショートステイまで使用を広めたいです。家に帰ると水分摂取のタイミングも変わるかと思いますが、排泄パターンをデータとして提供することで、他施設との差別化につながるんじゃないかと思います。対象者は全員ですね。
科学的介護を目指している岡田さまを筆頭に、DFreeの分析機能を自主的に活用されている職員さまからは、ご利用者さまお一人おひとりを尊重される思いが感じられました。今後も根拠のあるケアを目標に、さつき園の皆さまのお力になれるよう、弊社一同サポートさせていただけたらと思います。
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