トイレ介護の失敗を減らす排泄予測機器DFree

医療・介護施設のお客様事例

尿意を可視化して在宅復帰を後押し―DFreeがつなぐチーム医療

2025年9月にDFreeをご導入いただいた、にしくまもと病院さま。回復期リハビリテーション病棟で患者さまの在宅復帰支援に取り組まれている松元医師、石村看護師長、村岡看護副主任、前田作業療法士主任にお話を伺いました。(インタビュー実施日:2026年3月17日)


病院の特徴や排泄ケアに関する課題、これまでの取り組みについて教えてください。

石村看護師長
当病棟は脳血管疾患の患者さんが6-7割を占めています。在宅復帰率は平均85%以上ですが、ご高齢の方や認知症患者さんが多く、自宅退院時の排泄自立や排泄介助が大きな問題となっています。排泄自立支援にどのように取り組んだらいいかを模索していました。

村岡看護副主任
ご自身で尿意を訴えられない方や、膀胱留置カテーテル抜去後に尿意が回復しない方の支援に特に課題を感じていました。

今までは膀胱スキャンで膀胱の残尿量を測定していました。尿意のない患者さんに対しては、タイミングを決めてトイレ誘導をするしかありませんでした。

膀胱スキャンの課題として、夜中に患者さんを起こす必要があったり、使用するタイミングの統一性が取れていませんでした。特におむつの方の場合、いつ排尿があったかを把握するのが難しく、使うタイミングが分からないという問題もありました。

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DFreeの測定結果について患者さまにご説明いただいている場面

DFreeを導入されたきっかけを教えてください。

松元医師
2024 年の年末に失語と右麻痺がある若い脳出血患者さんが入院されました。経管栄養で膀胱留置カテーテルが留置された状態でしたが、在宅復帰を目指す際に膀胱留置カテーテルの抜去が課題になりました。その時、リハビリスタッフからDFreeを教えてもらったのがきっかけです。

実際にDFreeを使ってみて、どのような変化がありましたか?

村岡看護副主任
尿意が曖昧な患者さんに使用しました。DFreeのグラフを見ながら尿がたまったタイミングで声掛けを行いトイレに案内したところ、トイレに行きたい感覚がだんだんと戻ってきました。排尿後に十分に出し切れていないこともわかり、自宅退院時の指導にも活用できました。ご家族様にも「少しお腹に力を入れて最後まで出し切れるようにしましょう」とケアの方法をお伝えすることができたので、在宅復帰時の不安の軽減にもつながったと思います。

膀胱スキャンでは、エコーを当てた時点のたまり具合しかわかりません。DFreeはグラフで尿量の推移を確認でき、点ではなく線で評価できることが今までとの大きな違いだと感じています。冒頭でもお話しした通り、特に夜間の排尿に関する評価においては、患者さんの睡眠を邪魔せずに確認できるのが良いと思います。患者さんの生活の質を保ちながら、導尿やトイレ誘導を行えるところに有用性を感じています

医師や他のチームメンバーとの連携がスムーズになったケースはありますか?

村岡看護副主任
入院中に排尿困難があり、腎盂腎炎を発症した事例があったのですが、DFreeを装着して膀胱の状態を可視化でき、排尿しきれていないことを医師や他のスタッフと共有できました。尿路感染症のリスク管理に役立てられたと感じています。

DFreeの運用方法について詳しく教えてください。

村岡看護副主任
カテーテル抜去後の方や頻尿の方に使用していることが多いです。カンファレンスで「この方に使ってみたらいいんじゃないか」という意見を他のスタッフや主治医からもらって決めています。

患者さん1名あたりのDFree使用期間ですが、早い方で4-5日、平均2週間程度です。尿意の回復までに時間がかかる症例では1ヶ月近く装着することもありました。

前田作業療法士主任
これまでに10症例でDFreeを使用しており、脳血管疾患4名、脊髄損傷1名、大腿骨頸部骨折等の運動器疾患5名という内訳です。症例を増やしていきながら、より具体的な運用フローに落とし込んでいきたいと考えています。

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多職種で在宅復帰支援に取り組まれている

作業療法士として、どのように排泄自立支援に取り組まれていますか?

前田作業療法士主任
病棟の特色として脳血管疾患の患者さんが6-7割を占めるので、どうしても失語で尿意の表出が難しい方が多くいらっしゃいます。言語表出の機能やトイレ動作の介助量も見ながら、どのタイミングでトイレ誘導を始めるのかを判断しています。

運動器疾患の方も認知機能低下を認める場合があり、表出の難しさに加えて、トイレに行ったこと自体を忘れてしまう場合もあります。排泄介助の直後にまた「行きたい」と言われた際の対応方法などを、看護師や医師と相談しながら決めていく役割を担っています。

看護師としてのDFreeの活用方法や今後の展望はありますか?

石村看護師長
DFreeのグラフを一番見ています。たまり具合の数値が上がってきてもご本人がトイレに行かないようなケースでは、こちらから声をかけることで失禁を防げています。

村岡看護副主任
退院後、在宅でもDFreeの使用を提案できたらと考えています。ご家族がトイレに連れて行くタイミングの指標になり、介護負担が減るのではないかと感じています。

また、尿量が多い方はおむつから漏れてしまい、シーツや洋服の交換が必要になるケースが病棟内で度々あり、患者さんとスタッフ双方の負担になってしまうので課題に感じています。今は排尿困難のある症例を中心に使用していますが、おむつ交換のタイミングやおむつの選定にも活用できそうだと考えています。

医師の立場からDFreeの価値をどう感じていますか‎‎?

松元医師
当院には泌尿器科の常勤医がいないため、神経因性膀胱や過活動膀胱の内服調整を内科やリハビリテーション科の医師が行っています。薬が効いているかを見る補助的なデバイスとして有用だと思います。泌尿器科の先生と相談できる機会がなかなかないので、非常に助かっています。

膀胱留置カテーテルを抜いた後、「膀胱スキャンで確認して200~300ccたまっていたら導尿」という指示を出していますが、これまではエコーを当てるタイミングが難しく、確認した時には既に出てしまっているなどの課題がありました。DFreeではリアルタイムに尿量を把握できるため、導尿やトイレ誘導のタイミングがわかりやすくなりました

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インタビューの様子

最後に、DFreeを検討している病院の皆様へメッセージをお願いします。

村岡看護副主任
失語などで自ら尿意を訴えることが難しい方の支援に役立つので、脳血管疾患の患者さんが多い病院で特に有用だと思います。また、泌尿器科医がいない病院でも、DFreeを使えば膀胱内を可視化できるようになるので、医師への情報共有がしやすくなると思います。


データに基づいた排泄自立支援を多職種の連携によって実践されているにしくまもと病院の皆さま。患者さまの在宅復帰とスタッフの皆さまの負担軽減に貢献できるよう、今後もお力添えできれば幸いです。

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