トイレ介護の失敗を減らす排泄予測機器DFree
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排泄を「見える化」— データで支える個別ケアの最前線

特別養護老人ホーム錦苑

社会福祉法人 錦福祉会

〒740-0724 山口県岩国市錦町広瀬758番地 / 特別養護老人ホーム

定員60名

2024年11月にDFreeをご導入いただいた、特別養護老人ホーム錦苑さま。ご利用者さまの泌尿器科受診時にもデータをご活用いただくなど、運用の幅を広げていただいています。
介護課長の原田振一郎さまにDFree導入の背景や今後の展望についてお話を伺いました。
(インタビュー実施日:2025年2月18日)

人力に頼るケアから科学的根拠に基づくケアへ

DFreeをご活用いただいた背景を教えてください。

質の高いケアと職員負担の軽減を両立するために、現場のICT化を進めています
見守り支援機器や介護ソフト、タブレット端末、インカム等を導入しています。身体的負担を軽減するために自動体位変換機能付きエアマット、移乗用リフトやスライディングボードも導入し積極的に使用するようにしています。その中で、排泄面でのよいツールの導入はできていませんでした

排泄面では、排泄委員会が中心となり、ご利用者の自立支援に積極的に取り組んでいました。トイレ介助やおむつ交換における時間設定等の工夫もしており、トイレでの排尿の成功や漏れの減少などの一定の成果も上がっていました。
しかし、職員個々の経験に基づいたところが多分にあり、また尿測等に労力がかかることもあり、すべての利用者の排泄課題を見つけ、解決するとことには至っていませんでした

錦苑_排泄委員会の皆さま.jpg

排泄委員会の様子

どのような経緯でDFreeを知りましたか?

排泄ケア領域の介護ロボットを検索した際にDFreeを知りました。膀胱内を可視化できると聞き、排泄課題の解決に役立つツールだと感じました。

DFreeをトライアルしたきっかけを教えてください。

まず、「膀胱内が可視化できる」とはどのようなことなのか、使用し確認してみたいと思いました。さらに、「見える」ことにより、ご利用者への理解が深まり、根拠のあるケアが実施できるのではないかと考えました。

現場にDFreeを紹介したところ、排泄委員長が特に興味を持っていました。排泄ケアに科学的な根拠を得られるのではないかという期待があり、排尿困難なご利用者への対応、おむつ外しのあるご利用者の最適なおむつ交換時間の検討、そして、効果的なトイレ誘導時間の設定に使用してみたいと考えていました。

DFreeを使う前に懸念点はありましたか?

施設のWi-Fi環境で問題なく使用できるか、そして、ご利用者がDFreeを装着したまま時間を過ごせるがどうかも懸念点の一つでした。

「通知」と「排尿傾向分析」で最適なケア時間を設定

トライアルではどのようなことを実施しましたか?

トライアルではまず、おむつ外しのあるご利用者に装着しました。おむつを外す理由と尿意の有無を確認する目的で使用しました。

DFreeでモニタリングした結果、尿意はないが排尿後の濡れたパッドが気持ち悪いため、おむつ外しをされていることが考えられました。DFreeの「でたかも通知」を活用し、排尿直後におむつ交換を実施したところ、おむつを外されることはなくなりました。また、「排尿傾向分析」の結果から20時頃に排尿されている傾向がわかり、その時間におむつを変えると快適にお休みいただけるようになりました

トイレ誘導の方については「そろそろ通知」をもとにトイレにご案内することで効果が得られ、自分たちが思っていた排泄の時間帯と差が見られるということがわかりました。トイレで排尿が見られてパッドが汚れていない状態というのはご利用者にとっても介助者にとっても嬉しいことですし、DFreeの効果が高いと感じました。

トイレでの排尿成功率はDFree使用前後でどのくらい変化がありましたか?

以前はほとんどパッドに失禁がある状態でした。DFree装着中はほぼ100%トイレで排尿できるようになり、装着終了後は「排尿傾向分析」をもとに新たに設定した時間で誘導することで、だいたい70~80%は成功するようになりました。成功率が上がることでトイレ誘導の回数も適正化されました。

職員さまからはどのような反応がありましたか?

排泄課題を解決するツールとして使用できる」との声がありました。膀胱内が可視化されることにより、排泄に関する関心が高まったように感じます。
膀胱内の状態については今までは想像すらしていませんでしたが、トライアルの中で蓄尿状況や排尿量、24時間内の排尿の偏りについて考えるようになりました。その上でおむつ交換時間やトイレ誘導時間を設定し、効果を確認するようになりました。

使用前の懸念点については解消されましたか?

ご利用者が装着したまま過ごせるかどうかについては、特に問題ありませんでした。違和感なく使用していただけたようです。Wi-Fi環境についても問題ありませんでした。手厚いサポートにより、データも順調に取得でき、使用面での躓きはトライアルではありませんでした。

より質の高い個別の排泄ケアを目指して

DFree導入をどのようにご検討いただいたのでしょうか?

現場での使用感が良好だったこともあり、「導入してほしい」との声が上がりました。膀胱内が可視化できることが一番の評価ポイントです。通知機能もたくさんあり、排泄支援を進める上で役立つツールとの評価を受けて、施設長判断で導入が決定しました。

議論点・懸念点として挙がった点はありますか?

費用対効果の点での議論はありました。費用面では県の介護ロボットの導入に関する補助金を使いました。また、職員がそれを使いこなせるのか、効果があるのかという懸念点はありました。

導入後に得られている効果はありますか?

ご利用者ごとの蓄尿量や排尿量が見えてきたことです。最近では尿量減少など体調変化があった際にDFreeで状態を確認できた事例もあります。また、継続利用に向けたサポート体制があるのは有難いですね。

今後のDFree利用における展望を教えてください。

最適なトイレ誘導時間、おむつ交換時間を設定し、実施できるようにするために使用していきたいと考えています。ご利用者個々の排尿サイクルを知ることのできるツールとして、排泄委員会を中心に使用する優先順位を判断した上で、なるべく多くのご利用者に装着する予定です。そして、より質の高い個別の排泄ケアを実現できるよう進んでいきます


質の高いケアと業務負担軽減の両立を目指す錦苑さま。現場の知恵とテクノロジーを掛け合わせることでさらに良いケアが実現できると信じて、今後も皆さまの声を大切にしながら進んでいけたらと思います。

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