トイレ介護の失敗を減らす排泄予測機器DFree

医療・介護施設のお客様事例

DFreeで実現する「先取りケア」- 患者さんの尊厳に寄り添う排尿自立支援

石巻健育会病院

医療法人社団 健育会

〒986-0859 宮城県石巻市大街道西3-3-27 / 病院

168床(地域包括ケア病棟52床、療養病棟60床、回復期リハビリテーション病棟56床)

2025年10月にDFreeをご導入いただいた医療法人社団健育会石巻健育会病院さま。排泄の自立支援を積極的に行うことで、患者さまの尊厳に寄り添うケアに取り組んでいる排尿ケアチームの武山看護師にお話を伺いました。(インタビュー実施日:2026年6月29日)


尊厳を守る排尿ケアと従来の課題

―まず、貴院の特徴や排泄ケアに関する取り組みについて教えてください。

当院では、 「排尿自立支援は患者さんの尊厳に直結するケアである」 と考えています。当法人(医療法人社団健育会)では、医療サービスの質を示す指標(クリニカルアウトカム)の1つとして排泄の項目が定められており、膀胱留置カテーテルの改善数・抜去数をカウントして報告するなど、組織全体で意識を高めています。

― DFree導入前、排泄ケアや自立支援の面でどのような課題がありましたか?

一番の課題は、 「自分の尿意や思いをうまく伝えられない患者さん」への支援でした。当院は脳卒中による高次脳機能障害や、認知症などにより認知機能が低下している患者さんが多くいらっしゃいます。

また、当院では患者さんの尊厳を最優先に考え、 身体抑制などの制限を極力行わない方針を徹底しています。そのため、膀胱留置カテーテルを挿入して入院された患者さんの自己抜去を予防しつつ、早期に原因を分析してできるだけ早くカテーテルを抜く必要がありました。しかし、抜去後の排泄パターンを把握することが非常に難しく、現場の経験や勘など試行錯誤に頼らざるを得ない部分が多々あり、課題となっていました。

― それらの課題に対し、従来はどのような方法でアプローチされていたのですか?

従来は、スタッフによる定時の見守りや時間ごとのチェック、排尿日誌の記録、観察をもとに対応していました。しかし、これでは正確な排泄のタイミングを捉えることに限界がありました。結果として、空振りの誘導が増えて自立支援に繋げにくくなるだけでなく、患者さんが尿意による不快感から不意に動き出してしまい、転倒・転落のリスクを伴うなど、患者さん・スタッフ双方にとって大きな負担となっていました。

データの可視化と「先取りケア」の実現

― 実際にDFreeを導入してみて、どのような変化や効果がありましたか?

客観的に膀胱内の状況がデータとして可視化されるため、トイレ誘導のタイミングを計る上で非常に参考になっています。「そろそろ通知」や「起き上がり通知」などの機能を活用することで、 尿が溜まるタイミングを事前に察知し、「先取りケア」ができるようになったというスタッフの声も上がっています。

― 印象に残っている、具体的なエピソードがあればぜひ教えてください。

尿意の訴えが難しく、かつ非常に活動的で、転倒リスクやカテーテルの自己抜去リスクが高い認知症の患者さんの事例です。リスク軽減のために早期にカテーテルを抜去したのですが、当初は排泄のタイミングが掴めず、トイレに誘導してもうまく排尿できず、間欠導尿で対応せざるを得ず、現場のケアもかなり難航していました。

そこで「DFree」を2週間ほど装着していただきました。膀胱の溜まり具合をリアルタイムで確認しながら適切なタイミングで誘導できるようになると、自発的な排尿が徐々に増えてきました。 スタッフ側も「この動きがあるときは、おしっこが溜まっているサインかもしれない」と、 患者さんの細かな症状とデータをすり合わせることができるようになり、最終的には非常にうまく排尿誘導ができ、患者さんも穏やかに過ごしていただけるようになりました。

排尿自立支援におけるDFreeの活用

― 貴院は「排尿自立支援加算」を取得されていますが、その中でDFreeはどのタイミングでご活用いただいていますか?

当院では、入院時に膀胱留置カテーテルが挿入されている患者さんを抽出し、多職種で計画を立てて抜去・排尿ケアを行っています。その一連のフローの中で、DFreeは「尿意の訴えが曖昧な方」や「認知症などで尿意を言葉で伝えることが難しい方」、「尿意から不意に動いてしまい転倒・転落のリスクがある方」などを対象に、 排尿ケアの適切なタイミングを可視化する目的で活用しています。

具体的には、週1回行っている排尿ケアチームによる病棟ラウンドの際、病棟看護師から「排尿誘導のタイミングが掴めない」と相談があったケースなどでDFreeの装着を促し、まずは排尿パターンの把握に役立てています。

― 実際の評価や多職種カンファレンスでは、どのようにデータを活用されていますか?

カンファレンスでは、ベースとなる排尿日誌を中心に、患者さんの日中の動きやリハビリの進捗状況などを多職種ですり合わせながら、内服薬の調整や排泄動作リハビリの進め方を総合的に検討・評価しています。多角的な評価を行うプロセスのなかで、 DFreeで得られた排尿傾向のデータや経過グラフを「状況を客観的に裏付けるための参考材料」 として組み合わせて活用しています。

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排尿ケアチームによる病棟ラウンド風景

今後の課題とDFreeへの期待

― 今後の展望やDFreeに期待することを教えてください。

DFreeはまだ新しい機器ということもあり、現場のスタッフにとっては利用の敷居が少し高く感じられる部分がまだあります。まずは自発的に手軽に使ってもらえるよう、院内での活用事例を増やしていきたいと考えています。

メーカー側への要望としては、アプリ内に「超音波センサーの装着ガイド」や画面上のナビゲーション機能があると、さらに導入がスムーズになると感じています。また将来的には、10段階の数値表示だけでなく「排尿後の残尿量が何mlか」がその場でパッと分かるようになると嬉しいですね。そうすれば、失禁されている方の即時残尿測定などにも活用が広がり、さらに利便性が高まると期待しています。

当院のような回復期リハビリテーション病院において、 患者さんの尊厳を守りながら自立を支援する上で、DFreeはデータの可視化によって「根拠あるケア」を導いてくれる心強いツールです。 今後も排尿ケアチームが一丸となって、現場での活用を広げていきたいです。


DFreeを排尿自立支援につながるデバイスとしてご評価いただいている石巻健育会病院さま。患者さまの尊厳ある排泄と職員さまの負担軽減に向けて、今後も一緒に取り組ませていただければと思います。

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